墨香銅臭先生の、新作!です!!
いやぁ〜、これもイイ。本当にイイ。最高です。この本の攻め受けは「魔導祖師」の攻め受けとはまた全然タイプが違うのですが、このカップルもまたすっごくいいんです!!(語彙力)
「天官賜福」のあらすじ

仙楽国の太子・謝憐(シエリェン)は、十七歳の若さで飛昇し天界の武神となった。
しかし、自らの行動が原因で二度も天界を追放されてしまう。
それから八百年後ー。
三度目の飛昇を果たし天界に復帰したものの、今や謝隣(シエリェン)の信徒は残っておらず、他の神官たちからもはみ出し者扱いされてしまうのだった。
地道に信徒を獲得しようと下界で一人奮闘する謝隣(シエリェン)は、ある日、三郎(サンラン)と名乗る美しい少年に出会う。行くあてがないと言われ共に過ごすようになり、慕ってくれる彼と仲を深める謝隣(シェリエン)。だが、なぜか天界や鬼界に詳しい三郎(サンラン)には秘密があるようで――? <紹介文引用>
この小説の魅力~ここがイイ!~
受けは、仙楽国の太子・謝憐(シエリェン)です。飛翔して天界の武神(つまり神)になってます。容姿は、本文の言葉を借りると「誰が見ても一目でわかる優しい顔立ちをした美男子」で「この上なく綺麗」だそうです。見た目だけでなく、飛翔して神になるような素質を生まれながらに持つような人物で、非常によくできた人です。でも、この長い物語からだんだんわかってくるのですが、暗く重い大変な苦難、挫折の過去があって、それを経て今のようなあっけらかんとした、本当の意味で器の大きい(愛嬌を持ち、ところどころ笑える)人物となっています。
一方、攻めの名は花城(ホアチョン)です。正体は絶境鬼王で、鬼界の王として神官からも恐れられている存在です。彼は様々な姿になれるのですが、本来の姿は、本文の言葉を借りると、「服は楓よりも赤く、肌は雪のように白い。近くで見つめることができないほどのただならぬ美しさを持つ」一方で、「表情の中に幾分の荒々しさも垣間見え」「眉宇には傲慢さと野生見」がある、などと表現されています。
この攻めは、誰よりも力を持っていて、敵に対しては恐ろしく容赦がないのですが、謝憐に対してだけは一つ一つの行動全てが思いやりのかたまりなんです。このギャップがたまらんのですよ。(ちなみに謝憐は全然気づいてない)そして、花城が謝憐を想う歴史の長いこと長いことーー。鬼と神なんで、普通の人間とは年月の桁が違います。元々は2人も人間なんですけどね。本の帯に、「八百年、貴方に焦がれ続けた」と紹介がありますが、まさにそうなんです、、。花城の一途さに私はもうクラクラでした。
ちなみに、この本もまた、ファンタジーとしても大変面白く、そちらの面でもハラハラドキドキ、ページを捲る手が止まりません。攻め受けが最高すぎてそればかり書いてますが、その他の登場人物もそれぞれ魅力的な個性があり、ストーリーも非常に深みあり、読み応えありの小説です。
ちなみにまだ未完で、日本語翻訳は現在4巻まで出ています。
ネタバレあり、感想を語る!
以下、4巻まで読んだ感想(ネタバレあり)です。
今4巻読んだ直後で、思いのまま書き殴るんで、4巻の感想多め、時系列バラバラです(汗)すでに読了済みの方だけ読んでください!
4巻で、話の流れで謝憐の「長年深い付き合いがあって1番信頼している人は誰か」という話になった時、花城が珍しく、本当に珍しく動揺したよね。(てか初めてじゃないか?)花城は品があるので、妬いてることをあからさまに見せるようなことは決してないのだけど、どうしても気になっちゃって、「風信?」って唐突に聞いてくるところが、萌え。彼は謝憐に対してだけ、本当に控えめ。誰よりも力があり、他の人に対しては容赦ない彼が、一巻からずっと、謝憐の反応を注意深く見ていて、決して彼が嫌がるようなことはしない。思えば、2人が出会った時から、謝憐がわずかに三郎から顔を背けた時など(背けた理由は三郎の攻撃的な美しさに圧倒されたからなんだけど)次の瞬間には互いの距離が少し遠くなっていたり、細かい行動から花城の気遣いが感じられていた。花城、本当に謝憐のことが好きなんだよね、、、。三巻では、好きな人に強くアタックできない理由を、花城は「嫌われるのが怖いんだ」と謝憐に打ち明けていたけど、謝憐は鈍感すぎて、まさか自分のことだとは思っていない。(いや〜、鈍感すぎだろ)
でも、時間をかけて、少しずつ少しずつ、謝憐も花城を意識していきます。4巻では2人の心の距離がすごく近くなったよね。自然にハグとかしてるし。
エロの方はまだ全然ないんだけど、2巻で謝憐が花妖の罠にかかり、まだほんの少年だった花城がいる中で乱れ、ひたすら耐える場面はエロかったな〜。その時に花妖が少年花城に対して、「今これを逃したらこの先八百年分不相応な妄想したって食べられないわよ」と言っていたけど、きっと本当に八百年間、この時のことを忘れられなかったんだろうな花城♡って妄想する私(笑)今後のラブが楽しみです。謝憐の入浴シーンを目の当たりした時の態度や、謝憐に腕を掴まれて顔色が変わってしまうなど、時々過剰反応が出てしまう花城。いつも余裕しゃくしゃくの彼のこんな反応が大好物♡(めったにないけど)
現在は誰よりも強くて、大人の包容力がある花城だけど、彼の過去もしっかり描かれています。まだほんの子供だった頃、花城は謝憐の苦境を目の前で見ながら助けることも守ることも何も出来ませんでした。その時の彼の悔しさ、怒り、涙がしっかり描かれている。(必死に戦って、傷だらけになって謝憐の堂を一つ守るのが精一杯だったもんね…)
4巻では一時的に子供の頃の姿に戻らなければならなくなった花城が、「俺は絶対に1番強くないといけないんです。それでやっと…」と珍しく本音を吐露した場面は胸にグッときました。。謝憐に釣り合う存在になりたくて、どれほどの努力をして絶境鬼王までなりあがったのか。今になっても、花城にとって謝憐は、「太子殿下」で、子供の頃と変わらず目上の、憧れの人なんだよね。この筆者のBLは本当に奥深くて、だからこそ萌えるんだよなあ。
あと、やっぱり、謝憐を常に見守り、桁違いに強い花城はかっこいい。個人的に3巻の風師と地師の話は、誰が犯人かわからずずっと不気味(もはやホラーレベル)だったのだけど、謝憐のそばにいてくれる花城だけは絶対味方だとわかってる安心感ったらない。3巻あたりから謝憐も花城に惹かれていることを自覚してくるけど、お互いの気持ちをお互いが知るのは5巻以降になるのかな。続きが楽しみだー!!!