小説「時のかなたの恋人」ジュード・デヴロー作~タイムスリップロマンスの名作!本書の魅力と感想~

一般小説

めちゃくちゃ面白かった!!

400年の時を隔てた男女が、出会って恋をする、タイムスリップロマンスです。

「All About Romanceが選ぶベスト・ロマンス 5度選出 !!」という謳い文句につられ手にとった本なのですが、評判に違わぬ、むしろそれ以上の素晴らしさでした。

約600ページもあるのですが、ストーリー展開が面白く、あっという間に読み切りました。読後は、喜びと悲しみの感情両方が入り混じり、しばらく余韻を引きずっていました。

うっとりできるロマンス小説でありながら、面白さ抜群のストーリー展開、しっかりした読み応え…そんな一冊を求めている方におすすめです。

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あらすじ

恋人とのイギリス旅行中、喧嘩して身一つで置き去りにされたダグレス。 

十六世紀を生きた伯爵ニコラス・スタフォードの墓の前で泣いていると鎧をまとった男が現れ、ニコラス本人だと名乗った。 

いかれたコスプレイヤーにも思えたが、ホテル代すらないダグレスは、仕方なく男と行動をともにする。 

だが実は三日後に処刑されるはずで、現代にも”謀反人”として名の伝わるニコラスに同情を感じはじめた彼女は、その無実を証明するため、奮闘しはじめるー(紹介文引用)

この小説の魅力

まず、登場人物が、非常にいきいきとしています。

ニコラスは周りの女性をボーッとさせるようなイケメンで、少々Sっ気がありますが、思慮深く、思いやりのある性格です。現代にタイムスリップして、目に入るもの全てに驚き、興味を示す様子は可愛いです。

一方ダクレスは、心優しい女性なのですが、自己肯定感が低く、いつも悪い男に引っかかります。良くも悪くも、人の良い面ばかりを見ようとする危なっかしさがあり、一方でそれが彼女の強さでもあります。本書は、彼女の成長物語とも言えるでしょう。

基本はダクレス目線なのですが、ときどきニコラスの視点からも描かれるので、そこが個人的に嬉しいポイントです。二人のかけあいがテンポよく、流れるようで、本当にいきいきとしていて惹きこまれます。また、ロマンスだけでなく、涙、笑い、ドキドキ、ハラハラありです。飽きさせられません。

また、本書のもう一つの隠れた魅力として、16世紀イギリスの生活様式が細かく書き込まれている点があげられます。現代と当時の生活や価値観の違いに驚かされると同時に、衛生面をはじめとして当時の平民がおかれる劣悪な環境がリアルに描かれており、知識として知っていた以上の衝撃がありました。一方で、貴族の屋敷の生活は、その規模の大きさと華やかさと言ったら…。息を呑みます。当時のイギリスの世界観を楽しめるという点だけでも、読む価値があるのではと思います。ちなみに、本書の中の「現代」も、1980年代なので、一昔前のイギリスとなっており、旅行気分も味わえます。

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読んだ直後の感想※完全ネタバレあり※

これからこの小説を読もうと思っている方、絶対にこの先は読まないでください!
結末をがっつり書いているので。(でも書きたい)
本書を読んでから、また戻ってきて一緒に共感してもらえたら嬉しいです!

~以下感想~

ダグレス、ニコラスの魂を持つ男性と出会えてよかったね!彼女が今後幸せな人生を送るのが想像できる。なんならそこも描いて欲しかった。(そこにニコラスを感じたかった!(涙))

一方、ニコラス!彼女が消えた後も、生涯独身を通し、立派に歴史を変え、天寿を全うするなんて…。そして死後400年を超えても彼女に届く愛を遺すなんて…。さすがすぎる。男の中の男だよ!でも彼が死ぬまでダクレスを想って1人で生きたと思うと悲しい!切ない!!(泣)ニコラス〜!!!(泣)(泣)

以上です。

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