アメリカの刑務所が舞台のBL小説です。刑務所モノはどんなもんかと思って読み始めましたが、結果、とっても面白く、まるでハリウッド映画を見ているよう。
あっという間に読み終わりました。攻めも受けも文句なしにかっこいいです!
あらすじ
麻薬捜査官のユウトは、ある免罪で刑務所に収監されてしまった。そんなユウトに、FBIが密かにある取引をもちかける。それは、「潜伏中のテロリストの正体を暴けば早く出所させてやる―」というものだった。
そんなユウトの同房は、端正な容貌と長身の持ち主の、ディックという男だった。彼はギャングたちにも一目置かれる存在なようだが、クールな態度を崩さない。
男だけの監獄内で、食うか食われるかの闘いに否応なく巻き込まれる――
キャラがそれぞれよく立っていて(友であろうと敵であろうと)、まったく飽きさせられません。
男だけの濃い世界で、男たちはどうしても他人や自分自身と向き合わされ、その中で憎悪が生まれたり、友情が芽生えたり。無法地帯ともいえる、弱肉強食の監獄内の様子は、ハリウッド映画を見ているかのようにはらはらし、引き込まれます。
また、サスペンス要素もあるので、正体をばらすようなネタバレもここでは書けません。作者さんはこの本を書かれるにあたってよく取材されているようで、この世界について無知な私にとっては、刺激の連続でした。
そしてLOVEのほうですが、ディックは、文句なしにかっこいいです。
ユウトにとっては、最初、彼は読めない不愛想な男なのですが…。ディックの硬派でクールな瞳の中にたまに垣間見える熱情が色っぽい。金髪で碧眼とか、外国モノならではですよね。
ユウトの方も、ノンケでありながら次第にディックに惹かれていくのですが、それでも強気な男前なのがイイ。濡れ場は多くはないのですが、その場面に至るまでに無理やり感がなく、また、どちらかというとユウトが誘う感じなのも私的には好物(笑)
あと、挿絵がすごく素敵です。絵からキャラの美しさと色気をかなり感じることができます。
また、作者さんの萌えについては、あとがきで下記のように書かれています。
屈辱でまみれながらも、必死でプライドを守ろうとする姿。挫折を繰り返しながらも、頑なに自分らしさを貫こうとする姿。男たちのそんな姿に強く惹かれます。戦う男が大好きなのですが、強い男がボロボロに傷つく姿って妙にセクシーですよね。
これに共感できるかた、この小説は本当におすすめです!
全三巻です!