作家があの凪良ゆうさん(直木賞ノミネート作家)なため、本作も非常に読みやすく、あっという間に引き込まれます。まさに萌え度100%で、筆者は本を手にじたばたしてました笑
「美しい彼」のあらすじ
<あらすじ(紹介文抜粋)>
無口で友達もいない、クラス最底辺の高校生・平良(ひら)。そんな彼が一目で恋に堕ちたのは、人気者の清居(きよい)だ。誰ともつるまず平等に冷酷で、クラスの頂点に君臨する王(キング)――。自分の気配に気づいてくれればいいと、昼食の調達に使いっ走りと清居に忠誠を尽くす平良だけど!?
この小説の魅力~ここがイイ!~
クラスの最底辺にいる平良が初めて清居に会った瞬間が、次のように描かれています。
ふいに彼が振り返り、どきりとした。それは、目の前でパチンと手を叩かれたみたいな衝撃だった。彼は美しかった。すっと筆を流したような目尻。通った鼻筋に薄くて形のいい唇。神様が慎重に作り、配置したみたいな目鼻立ちは、恰好いいというより美しい。彼の目が自分をとらえ、上から下にざっと値踏みするように眺め、すぐに興味を失ったように視線がそれる。
価値なし。一瞬でジャッジを下されたのがわかった。
清居の圧倒的美貌が描かれています。
スクールカーストトップの清居に対して、カースト最底辺の平良が恋におちる瞬間です。
この本の萌えポイントは、美しく強気な受け、清居というキャラクターです。
高校生活では、その美貌で他校の生徒たちからも注目され、常に大勢に囲まれていながらも、いつも平然とし、冷淡な清居。そんな清居に、平良が手が届くはずがありません。
それなのに…。
高校生活から大学生へと場面の変遷を経て、ストーリー後半からは清居目線で話が進みます。
※以下、ネタバレがあります。お気をつけください
ストーリー後半からは清居目線となり、彼の気持ちが描かれてからは、ニヤニヤがとまりません。
強気で孤高の存在の清居は、素直になるくらいなら死んだほうがマシだと言わんばかりの心持ちで、それがたまらない。平良や周りの目からみると美しくて非の打ちどころのない清居ですが、その内面を知ってしまうともう・・・尊い。そしてそんな清居の心情など夢にも思わず、相変わらず神として彼を崇め奉っている平良のブレなささ。作者があの凪良ゆうさんなだけあって、2人の想いとその嚙み合わなさが、絶妙に滑稽に描かれていて、思わず笑いがこみ上げます。
そして終盤では、平良に触れられ、強気を維持しようとしながらも乱れずにはいられない清居に、これまた萌えが止まらない!!